留学報告

本科研究科卒業後、天津外国語大学大学院に留学した同学からの留学報告です

 2019年8月末、天津での留学生活がはじまった。
 中国の朝は早い。大学院にもかかわらず1限から授業がある。しかも開始時刻は朝8時!日本の学生にはまずできないだろう。しかし中国ではこれが当たり前なのだ。基本的に全員キャンパス内の寮に住んでいるためか、遅刻する学生もほとんどいない。
 クラスで唯一留学生寮に住んでいる私には起こしてくれる「同学」もおらず(中国人学生の寮と留学生寮は別れており、同じく外国人の「室友」はいるが、他学科のため時間割が異なる)、1限の前の晩はいつもドキドキだったがなんとか無事に全部出席することができた。日の出前に起きて極寒の中通学するなど、大学時代には到底考えられなかった。これもひとえに日中学院のおかげである。週6で毎朝9時から授業に出る「リハビリ」をしておいてよかった!
天津外語
 中国の大学は宿題が多い。日本の学校であれば、通学時間やアルバイトの時間を考慮し、鬼のように宿題が出されることは少ないが、中国では寮生活、かつ日本の学生のようにバイトとサークル活動に明け暮れることもないためか、ほぼ毎週大量の課題がでる。しかも、私たち日本語翻訳専攻の今学期の課題は主に日文中訳。あやしいとわかっていても吟味している時間などない。心が折れそうになりながらも書いて書いて書きまくり、なんとか提出する。それの繰り返し。中国語の能力もさることながら、日本語力の足りなさに辟易した。
 ただ読むだけなら読み飛ばしてしまう言葉も、訳すとなると意味を言い表さなければならない。すると途端にわからなくなってしまうのだ。辞書にのっていない言葉、なんとなく使っている言葉のなんと多いことか!接続詞もわからない。使う時にいちいちこれは「強調」、これは「逆接」などとは考えていないし、文の流れやリズム上使っているだけでさほど意味がない場合もある。また、普段自分では使わない言葉にもたくさん遭遇する。コーパスで調べるという手もあるが、最終的にはやはり勘に頼るしかない。
 クラスメイトに聞かれて初めて「わからない」と気づかされることもある。とにかく、日本人に要求されているのが日本語の理解力、表現力である以上、やはりまずは日本語力を鍛えなければならないのだ。中国人学生たちから刺激を受けながら、言葉の面白さと難しさの間で揉まれた1学期だった。
天津外語
 天津は北京や上海ほど遊ぶ場所が多くないため誘惑も少なく、勉強するにはちょうど良い環境ではないだろうか。気分転換をしたい時には「菜市场」に行ったり、「麻辣烫」を食べに行ったり、川沿いの古い洋風建築が立ち並ぶエリアを散歩したりとそれほどお金をかけなくてもリフレッシュできる。中国での生活を楽しみつつ、「光阴似箭」、時間を大切に引き続き勉強していきたい。。