留学生が描いた浮世絵風パンダ

パンダ

東京都日中友好都市青年訪中団参加レポート

2023年度4年ぶりに開催された東京都日中友好協会主催の『友好都市青年訪中団』に本科生2名が参加し、2023年9月19日(火)~9月24日(日)北京・張家口(河北省)を訪問しました。


訪中を終えて考えた事

本科1年 恩田侑紀

恩田1
 1日目にまず北京大兴空港に到着した。空港はとても広く、施設も綺麗だった。指紋認証をセルフで出来る機械があるなど、入国して早速技術の発展を感じた。その後北京市内までバスで移動をした。市内に近づくにつれガラス張りの高層ビルが多く密集しているのが見え、中国の発展している様子を感じた。2日目は北京伝媒大学で学生と交流をした。ここでもキャンパスの綺麗さ、広さに圧倒された。古くからある建築物にも日本との違いを見つけた。故宮博物院では繊細な龍の模様が天井にまで多く見られた。3日目は農村を見学し、都市との違いや格差を減らすための政策があると聞いた。万里の長城は広大な面積と高さで圧倒された。距離は2万キロ以上あり地球の赤道の半分にあたるという、約2200年前に多くの人々の力を合わせて建設されたことを思うと、少しずつ積み重ねること、継続すること、力を合わせることの大切さを感じた。当時手に入った材料や開発された技術を最大限に利用して、現代まで遺るものをつくるには本当にたくさんの苦労があったのだろうと、実際に足を運んだことで身をもって感じた。
恩田2
 4日目は医療機器を開発している企業の見学を通し、発達したテクノロジー技術を目の当たりにすることが出来た。5日目には中国の鉄道を利用した。日本で言う新幹線のようなものとは知っていたが、実際に乗車することが出来、市内では見ることのできない美しい緑あふれる景色を見ることもできた。
 5泊のスケジュールで、中国の広大さや技術の発展、現地のリアルな生活事情を知ることができ、本当に貴重な体験になった。それと同時に現地の人と会話をした際にすぐに通じない場面もあり自身の中国語のレベルが低いことを痛感した。違いの多い両国だが、まずは今後も学習を続け中国人と会話をスムーズにできることを目指し、日中の架け橋になれるよう尽力したい。

北京の日本語学習者

本科2年 横山 さやか

横山1
 私が訪中団に応募した最初の目的は現地の大学生との交流であった。初めての北京訪問とあって、全てが新鮮に感じたのは言うまでもないが、今回は特に、北京で交流した中国の方々について、まとめようと思う。来春、学校を卒業し日本語教師として働く私にとって、日本語学習者が日本のどのようなことに興味があるかということを知りたかったのである。大学生の皆さんと話してみると、日本語の学習を始めたきっかけや、興味の向く方向はさまざまであった。大学受験のために日本語学習を始め、今では北京の高校で授業を持っているという大学院生であったり、また東京の大学に留学した経験のある大学生とも話す機会があった。意外に感じたこととして、必ずしも全員が日本の文化に特別興味があるわけではないと言うことである。私のイメージの中で、日本語学習者の多くが、日本の伝統文化、あるいはポップカルチャーが好きなのだろうと考えていた。しかし、学生の話を聞くと、受験であったり、就職であったりと、日本語を学ぶことで得られる利益を享受しているように思えた。そのような学習者は日本語をマスターしたとして、日本人の性質や日本人と接する時の心構えを知る機会は、日本の文化に興味を持つ学生よりは少ないかもしれない。社会に出て仕事で日本語を使用したり、日本に住むことになった際には、どんなに日本語能力が高くても、それだけではうまくいかないのである。私が日本語教師として働く際に、言語だけでなく、文化や習慣をどのように教えればいいのか、それが今回の北京訪問で見えた課題となった。
 
横山2
 2号車を引率していただいた馬先生の話も印象に残っている。彼女は大学時代に日本語を専攻したとおっしゃっていたが、70年代末から80年代の始め、まだ国際化の波が訪れる前の改革開放の時代に大学時代を過ごした彼女が、どうして日本語を専攻したのか疑問に思った。尋ねてみたところ、そのころやっと外国に目が向くようになり、将来を見越して日本語を選んだのだという。親は彼女の選択に反対しなかったのかと聞くと、その時代日本語を勉強しなければ他の若い女性と同じように工場で働くことになっていただろうから、もともと娘は工場で働くことが向いていないと考えていた彼女の両親にとって、彼女が日本語を習得して関連する職を探すことに前向きだったのだということが分かった。私の祖母が私が中国語の専門学校に入学すると言ったときにいい顔をしなかったのと同じように、自分の子どもが過去の敵国の言葉を学び、関係を強めていくということに抵抗があるのではないかと考えていたため、彼女のご両親がその時過去にとらわれず、未来のことに望みを向けていたということが分かった。そして今日の中国の発展は馬先生のみならず、中国の国民一人ひとりが同じように前を向いてきたからこそのものなのかもしれないと感じた。
 私は春に学生生活を終える。中国語の専門学校に入学したが、コロナウイルスの影響で留学も叶わず、このまま社会に出てしまうと考えていたタイミングでの訪中で会った。長い間続けて来た中国語学習の成果を発揮することができ、また社会に出て日本語教師として働くことにもつながるような活動ができた。今回の訪中は私にとって、とてもふさわしいタイミングで、決して忘れることのない経験となった。

文化祭報告

2023年10月28日(土)日中学院文化祭が行われました。お昼に4年ぶりに模擬店も開催され、午後の舞台発表と合わせて大変賑やかな1日となりました。学生の感想文を紹介します。


思い出の1日

本科1年 秋川愛実

今年は飲食の出し物をするのが4年ぶりということもあり、先生方も私たち生徒も気合を入れて文化祭の準備に取り組みました。文化祭当日は、来てくれるかなと心配していたのが嘘のように多くの人が来て下さり、すごく賑わいました。私たちのクラスは、みんなで色違いのチャイナ服を着ました。朝早く学校に来て、ヘアアレンジが得意な先生方にチャイナ服に合う髪型にセットしていただきました。みんな可愛くて楽しい思い出になりました。
お昼になりたくさんの人が来始めました。私たちが持ち場を離れられなく、なかなかお昼ご飯を食べられずにいると先生方が買ってきて下さったので、全種類食べることができました。どれも美味しかったのでまた食べたいです。お腹いっぱい食べた後は各クラスの発表です。最初の発表は日本語科1年の「秦王暗殺」でした。お芝居の迫力がすごく、秦王の衣装や小道具にもこだわっていて、とてもおもしろかったです。客席も舞台にしていて、世界観に引き込まれました。
 私たちは「常想错」を発表しました。全員で6人なのですが、文化祭の直前に2人がインフルエンザとコロナにかかってしまいました。なので急遽2人の方に助けていただき、無事発表を終えることができました。このお話はどのキャラもおもしろくて、笑っちゃうところがあるので、まだ半年しか勉強していない中国語を、聞きとってくれるか不安でしたが、笑ってくれたのですごく嬉しかったです。ハプニングもあり緊張もしましたが、本番が1番楽しかったです。来年は6人全員で発表したいです。
 日本語科2-A「クレヨンしんちゃん初めてのお遣い」でした。みんな本当に可愛くて台詞もはっきり聞こえて、見ていてほっこりしました。本科2年は「喜羊羊与灰太狼」でした。どの役かわかるように、カチューシャなど身につけていて可愛かったです。吹き替えはとても難しそうでしたが、中国語は流暢で感情も伝わってきて、先輩方はすごいなと思いました。別科朗読大会選抜の方は「面朝大海,春暖花开」でした。一言一言はっきりと大切に話していて、聞きやすかったです。すごく綺麗な中国語で尊敬しました。日本語科2-1は「おーい、出てこーい」でした。日本語が流暢で内容がスッと入ってきました。私はこのお話を知らなかったので、ラストの展開にびっくりしましたし、おもしろかったです。
 発表はあっという間に終わり、楽しかった文化祭は幕を閉じました。準備も当日もたくさんの方に助けていただき、思い出に残るとても楽しい文化祭になりました。文化祭を通して中国語はやっぱり難しいと思いましたが、少しでも聞き取れたり、理解してくれたりするとすごく嬉しく思いました。みんなと切磋琢磨して、今よりもっと中国の文化と中国語を理解できるように頑張ります。

文化祭の感想

日本語科1年1組 李紀禹

 私は今年4月に日本語を勉強するために、日中学院に来ました。そして、10月28日に学校の文化祭を迎えました。文化祭当日、クラスメートと早く学校に来て、模擬店の料理を準備しました。私たちの料理は前日にほとんど準備してあったので、私は他の学生たちが料理するのを見ながら、彼らと交流しました。彼らが真剣にいろいろな料理をするのを見て、食べたくなりました。私たちの出し物は『秦王暗殺』でした。最初私たちは、とても緊張していました。間違いを恐れていました。でも私たちは力を合わせて、間違いもなく、よくできたと思います。他のクラスの出し物も、とてもよかったです。日本語科2年生の日本語は、とても流暢でした。私も日本語の勉強を頑張りたいと思いました。本科の皆さんの中国語も、とても流暢でした。文化祭は、皆さんの勉強の成果を発表する場になっていると思いました。とにかく、初めての体験でとても楽しかったです。皆さんから、たくさんのことを学ぶことができました。来年の文化祭がもっと楽しみになりました。

文化祭

日本語科2年1組 董俊皓

 今年の文化祭は特に印象深いものでした。私たちのクラス2-1は、劇の準備を通じて、一つのチームとして成長しました。互いに協力し、サポートし合い、一人ひとりの長所を活かすことができました。いろいろなアイディアを出し合って、一緒に練習し、最高になるように頑張りました。
 私たちのクラスの劇は「おーい 出てこーい」でした。この劇の順番は文化祭の最後でした。私たちのパフォーマンスは成功して、観客はとても喜んでくれました。みんなの拍手と賞賛が私たちをとても嬉しくさせました。この経験は私たちにもっと自信を持たせてくれました。
私自身も、委員としての経験は非常に貴重なものでした。計画、リハーサルの調整、実際のパフォーマンスまで、すべてに深く関わることで、リーダーシップやチームワークの大切さを学びました。また、クラス全体の意見を取りまとめ、最終的な決定を下す責任は大きな挑戦でしたが、この経験は私の自信を大いに高めてくれました
 最後に、文化祭にかかわった全ての方に感謝したいと思います。クラスメート、先生方、そして他の支援してくれた人たちのおかげで、素晴らしい文化祭になりました。

文化祭
文化祭
文化祭
文化祭
文化祭
文化祭

別科朗読大会

2023年10月7日(土)別科朗読大会が行われました。初級から応用まで4レベル26クラスが日頃の練習の成果を発揮しました。休憩には魯大鳴先生による京劇、最後は陳淑梅先生から温かいお言葉を頂きました。皆さんお疲れ様でした。

朗読
朗読
朗読
朗読
朗読
朗読

A先生の新語コーナー

新赛道 xīn sàidào

A先生の新語
“赛道”はオートレース用のサーキットのことで、新たな競争の場を指す。この言葉は経済分野で使われることが多い。新しい技術やモデルをコア競争力とする新興産業の育成を進める狙いがあり、破壊的なイノベーション、爆発的な成長といった特徴を持つ。習近平氏は2022年10月の党大会で「発展の新たな分野と競争の場を開拓し、発展の新たな原動力と優位性をたえずつくり出していかなければならない」と述べ、中国の今後の産業技術革命の方向性を指し示した。(A)

図書館だより

2023年 ベストリーディング

4年ぶりとなりましたベストリーディングの発表です。
す。今年は中検やHSKの問題集はじめ、中国語のテキス
ト以外を対象として皆様に愛読された本のベスト12をご紹介します。(著者・出版社省略)
【順位】
1位.『中国語で紹介する日本〔文化編〕』
2位.『中国語とはどのような言語か』 
4位.『中国全史 6000年の興亡と遺産』上下冊
4位.『33地域の暮らしと文化が丸わかり!中国大陸大全』
7位.『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2022年版』
7位.『中国語対訳で紹介する日本のすべて』
7位.『中国語は不思議「近くて遠い言語」の謎を解く』
11位.『微型小説選刊』2022 No.13
11位.『小黑鱼』(原題:Swimmy)
11位.『眠れなくなるほど面白い 図解始皇帝の話 』
11位.『暮らしの図鑑 台湾の日々』
12位.『千年の歓喜と悲哀 アイ・ウェイウェイ自伝』
なお図書室では特集コーナーを設け、毎回テーマを決めて関連した図書やDVDをご紹介しています。現在は「日記」。中国語を学びながら、歴史や文学にも広く興味をもっていただけるよう願っています。

「アレ」38年前の日中

昨年の日本シリーズは38年ぶりの阪神タイガース優勝に、38年前の自分を思い起こした方もいらっしゃったのではないでしょうか。1985年、日中間では2つの大きな出来事がありました。
 5月、当時の厚生省が中国残留日本人孤児の肉親捜しに初の現地調査団を中国に派遣。2100人余りとされた孤児の総数が、リストアップされた数より500人も多いことが判明。
 9月には日中経済協力のシンボルである巨大プロジェクト、上海の宝山製鉄所1号高炉への火入れ式がついに実現。宝山製鉄所とは山崎豊子著『大地の子』の主人公、陸一心と日本の父親が再会した舞台、北京鋼鉄公司のモデルです。『大地の子』はNHKでドラマ化され、図書室ではDVDが今も皆さんに視聴されています。
中国のドラマで中国残留孤児の苦難の人生を描いたものとしては『小姨多鶴』があり、人気女優孙俪が日本人孤児多鶴を演じています。最終回で多鶴は日本から来た調査団により、生き別れた日本の母親と再会。中国側から多様な角度で描いた内容でおすすめです。